妊娠で便秘がひどくなると昔から言われていて、実際に多くの妊婦が頑固な便秘に悩まされています。
この妊婦の便秘は、「3日以上排便がない、毎日排便後の残便感がある」という普通の便秘と同じですが、妊娠中に増える黄体ホルモンで腸の動きが鈍くなることと、大きくなる子宮や赤ちゃんに腸が圧迫されることなどで引き起こされる便秘なのです。
男性と比較すると、もともと女性は便秘になりやすい体質なのですが、妊娠すると4割以上の方が便秘がひどくなったという調査報告もあるくらい、妊娠と便秘は深い関係があるようです。
しかも、不規則な生活や偏った食生活などで便秘がちの女性は、妊娠するとさらに悪化しがちなので要注意とか!妊娠に伴う「つわり」と出産時の辛さだけでも大変なのに、さらに便秘が加わり痔になることさえあるのですから、まさに「3重苦!」と言っても過言ではないでしょう。
ですから、妊婦中の便秘を少しでも和らげたり解消するために、普段から適切な食生活や運動を心がけ、悪化する前に専門医の診察を受けることが非常に大切になってきます。
妊娠で便秘、妊婦中の便秘とはどういうもの?
妊婦が便秘になるのはなぜ?
なぜ?妊娠すると便秘になりやすいのでしょうか。その原因は大きく分けて以下の2つが考えられます。
①妊娠中は黄体ホルモンが増加するのですが、このホルモンは子宮筋の収縮を抑制して流産を防いでくれる大切な役割を担っています。しかし、その働きが腸の筋肉の動きまで鈍らせてしまうため、どうしても排便がしにくい状態になってしまうのです。
②子宮が骨盤の中にまで大きくなり、赤ちゃんも同時に大きくなる結果、近くの腸が強く圧迫されてしまいます。そのため便通が悪くなるうえに、腹筋も子宮に押されて伸びて排便時に力も出しにくくなってしまいます。
他にも様々な要因が①と②の要因と絡み合って、妊婦の便秘をますます悪くしてしまいます。
・妊娠をしますと、妊婦と赤ちゃんの2人分の水分が必要となるため、さらに大腸からの水吸収率が高まってしまい、便が固くなり便通を悪くしてしまいます。、
・妊娠中は身重になり、お腹の赤ちゃんのことを気遣うため、どうしても運動不足になりがちです。 運動不足が続きますと、消化器の働きと腹筋力が衰え、ますます便を出しにくくしてしまいます。無理のない程度に、掃除洗濯や軽い散歩、妊婦向けの体操などで身体を動かすようにしましょう。
・食欲不振や吐き気を伴う「つわり」と呼ばれる症状が、妊娠5週くらいになると出てきます。つわりによって正常な食事量が取れなくなると、排便量の低下などを引き起こし便秘になりやすくなります。
このように、妊娠は便秘をまねくよういんともいえますので、妊娠する前から(妊娠したら当然ですが)普段の食生活や運動、生活リズム改善やストレス解消などで便秘体質を治しておくことが大切です。
もともと便秘がひどい方は、妊娠したら早めに医師の診察を受けて対策の仕方をきいておきまし ょう
妊娠中の便秘解消法とは?
まず、便秘薬に頼る前に、根本的に生活習慣や食生活を改善し、無理のない妊婦に適した運動をすることが大切です。
便秘の原因は、食事・運動・睡眠などの生活習慣の崩れがほとんどですから、これらの改善なくして便秘薬や浣腸を使用しても大きな効果は望めません。
①食生活の改善では、肉や脂肪に偏った洋食中心の食事を変えて、穀物・野菜・芋類。豆類・果物・海藻・キノコなど、食物繊維の多い食品をとることを心がけましょう。もともと腸の長い日本人には、繊維質の多い穀類や野菜・イモ類などが最適であり、便秘解消にも大いに効果がある食べ物なのです。
②水分も妊娠中は不足しがちなので、多めに飲むようにして、大便を柔らかくし便通の通りを良くしましょう。③適度な運動をして、腸など消化器を活発にし、排便時に使う腹筋の衰えも防ぐようにします。運動量は少しで十分ですから、家事や散歩などで規則正しい運動を毎日続けましょう。
④朝、起床したらすぐ冷たい水や牛乳を飲み、朝食後に便意を催したときにトイレに入る習慣をつけましょう。つわり等で水分や食事を取るのが辛い時期もありますが、できるだけ「排便リズムを崩さない」ようにすることが必要です。
以上のことを行っても、便秘の改善が見られないときは、早めに医師の診断を受けることが大切です。摘便(指でだしてもらう)や医者のすすめた便秘薬や浣腸などを使った治療で、少しでも早く徹底的に治すことが重要なのです。
「便秘なんて~」と、恥ずかしがっている場合ではありません!便秘によって体内に蓄積された有毒物質が、赤ちゃんにも悪影響を与えてからでは遅すぎます!それに、悪化させて痔になれば、妊婦自身もより苦しむことになるのですから。
妊娠の便秘に効く便秘薬やサプリメントとは?
妊娠中の便秘ですから、当然、第一に赤ちゃんに悪影響のない薬を使用することが必要です。
市販の様々な便秘薬やサプリメントがありますが、やはり医師の指示や許可を受けて安全な薬を使うのがベストです。
一般的な方法としては、
①下剤を使用。医師の処方のものか市販のもので、液体・丸薬・粉・チューインガムといった種類があります。ソフトな効き方のピコスルファート系の便秘薬がよく処方されるようです。
②漢方薬系の便秘薬は、信頼できる薬局であれば大丈夫ですが、「大黄入り」など流産や早産を引き起こす薬や粗悪な中国産の薬も多いですから要注意です。やはり、医師の指示なしに服用するのはやめましょう。
③普通の市販の日本製の薬ならば、赤ちゃんにも悪影響を与えることはまずありません。医者がOKを出せば、効き方の穏やかなものから使っていいでしょう。
④健康食品やサプリメントも、このご時世怪しいものが多いですから、やはり医師と相談してからがいいでしょうね。
女性が妊娠以外でも便秘になりやすい理由とは?
女性は、男性に比べて、排便に必要な腹筋の力がもともと弱いために、どうしても便秘になりやすいといえます。
さらに、外や人前で便意を催したときなどでも、気恥ずかしさなどの理由で排便を我慢する傾向があるため、排便のリ ズムが狂い、排便反射が鈍くなってしまうことも無視できない原因といえましょう。
また、女性は胎児を育てるため骨盤が広いため、そこに腸が下垂し腸が不安定になる事から、腸管の形が歪み硬い便な どが留まりやすいのです。妊娠すれば、流産を防ぐためのホルモンの増加や、子宮拡大と胎児の成長による腸の圧迫な どが加わり、さらに便秘になりやすくなります。
さらに、ダイエットによる無理な食事制限や栄養バランスの崩れ、現代社会の不規則な生活リズムの乱れから、便秘を さらに悪化させている女性が多く見られます。
以上の体の構造やホルモン等の働きから、もともと女性は便秘体質であり、男性よりも意識的に便秘解消の努力をする必要があるといえましょう。